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  • 週刊NY生活連載アーカイブス2017.1月~2017.3月

週刊NY生活コラム連載60回記念アーカイブス6
第31回       2017/1/6  
今年も笑顔あふれる佳き一年になりますようお祈り申し上げます。熊本・大分地震の際には 各方面からのご支援本当に有難うございました。日頃からの木に対する「備品の蓄え」や「心の準備」は当社の経営哲学にも通じることであり、守りの経営実地指導・監査対策の必要性も多くのご賛同頂く機会につながりました。さらに守り対策「混合介護」共著出版、きたる高齢社会に「将来希望が持てるサービス」「スタッフの育成」「環境の確立」を支援致します。益々ご指導ご鞭撻の程宜しくお願い致します。今年も何卒宜しくお願いいたします。さて、そうは言いながらも、日本へ帰国を検討されている方々や遠方で親の介護をされている方にとって、将来をどうすべきかを占う年になりそうです。2018年は医療と介護の6年に一度の同時改定です。その前年である今年「2017年」が、来たる2020年のパラリンピックオリンピック、国際公約でもあるプライマリーバランスの黒字化にも影響の大きいでしょうし、団塊の世代(1947〜1952年生まれ1450万人)が次々と後期高齢者75歳になっていく期間にもかぶります。75歳という年齢はその前の65歳〜74歳と比べると要介護リスクが6倍増すことになる事例があります。75歳という区切りを介護医療業界ではある種の分岐点として定義しています。だから、いわゆる「介護保険制度」もそれにどう対応するのかと、20年目を迎える前にどう成熟させるのか大きな注目すべき年なのです。
そこで、現段階(1月6日時点)今年ウオッチングしておく介護ニュース。勝手にランキングトップ10。

10. 全国に5万箇所あるデイサービス同士の合併や吸収され、特にこじんまりとした住宅型のデイサービスの行方はどうなるのか。

9. ゆったりのんびり過ごすだけのデイサービスからトレーニングで結果を出すための役割への転換で今までの利用者は負担増になるのか。

8. 今まで介護に優しかった(導入しやすかった)福祉用具を借りたり、住宅改修したりするのもハードルが高くなる方向。

7. 介護事業所でIoT(ロボット)導入を国の支援で促進される(事業所の加算創設)。IoTをはじめとしたロボットの存在が普通に見慣れた風景になる日がくるかもしれない。

6.総報酬割導入により健康保険組合の財政力次第で、さらに収入が多い人はより高額に、そうでない人はそれなりに負担額が減る方向。

5.要介護者で所得が現役世代並みの個人は自己負担3割へ上がる方向。

4. 軽度(この定義自体が問われる必要あり)利用者の在宅での生活援助サービスが自費になる?もしくは負担額がアップされるのか報酬改定に注目。

3. 今まで無料で作成だったケアプランが利用者1割負担の有料化の支払い側の混乱と経営側の事務的負担をいかに解消するか検討される方向。

2. 技能実習制度の介護労働への許認可による外国人労働者の増加。サービス事業としては初めての導入のため混乱も予測される。

1. 介護職員のお給料(処遇改善)が一年前倒しで上げられることの経営への影響。もちろん、利用者負担額にも影響します。

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第32回      2017/1/20   
私個人で感じていることかもしれませんが、1月ってなんだか長いですね。時間が流れるのが早いのは充実しているからと言われます。では、長く感じるのはなんですかね?それは決して充実してないわけではありませんが、「まだこんな時間なのか」とか、「今年をどういう年にするか」って、その時間その時間を踏みしめているからだと思うのです。ついにトランプ大統領が誕生しました。アメリカがかつてないほど大きな変化していていくことは誰もが感じ取っていることでしょう。日本の政治評論家は、それでも冷静さを保つためなのか「アメリカは変わらない、それどころかより安定した国になるだろう」という方もいます。私は、極端ですが、トランプ政権の影響が日本の社会保障にどう関わってくるか、年金、医療、介護、雇用を先読みして経営者に提案したいと思っています。個人的なことで結構です。アメリカに住んでいてふと些細なことで感じたことをメールいただけましたら幸いです。いい国つくりましょう。

 さて、今週、私は介護の立場から「死」について大手広告代理店主催でお坊さん、お医者さん、納棺士、様々な職の方と9時間に及ぶ議論を交わしました。
「介護」という立場上、「死」に親和性の高いつもりで参加しましたが、話せば話すほど、自らの体験を深掘りするほどに、胸がつまり、涙目になりそうになる自分が耐えられなくなりました。辛かったです。「死」ってやっぱり怖い。介護のプロとしてやってきている以上、それを悟られるのも恥ずかしく、でもとても貴重な体験となりました。
最近は小学生のうちから「いじめ」「性」についてグループで討議することも増えてきたようで、かつてはタブーとされていたこともコミュニケーション能力の育成も兼ねていい傾向だと思います。さらに、介護やボランティア、政治や宗教についても切り込めるようになればいいと思います。ただし、私のように、自分では強いつもりでいてもいざ、「死」について話すうちに凹んでしまう教師もいるかもしれません。ますます大人は大人にならないといけないのではないでしょうか。
今回の議論のおおよその結論は次のような感じになりました。生き方は画一ではなく、十人十色。あくまでもご参考まで。
・ 成人式や結婚式に人生ノートを作る習慣を定着させる(自分で判断能力がなくなることがあった時に周りが困らないために)
・ 自分の葬式に何人集まるか心配な人は、自分主催の誕生日会を毎年やってみてはどうか。できるだけ多くの人と深く付き合うことでいろんな問題が解決もできるから。
・ 他人が解析するようなビッグデータに一存せずに自分自身の生きてきた証を残す。料理が好きな人はレシピを。音楽が好きな人は録音。動画や音声は印象深い。五感に訴求できるものを残せることは何より幸せ。

それがその人の大切な「生き様」、「死に様」、「死後様」でもあろうと。 

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第33回      2017/2/3   
2月も半ば、スーパーボールも終わったし、チャイナタウンの旧正月も終わったし、楽しみは来週のバレンタインデーでどれだけチョコがもらえるか期待に胸膨らませている人も多いでしょう。ワクワクが止まりませんね。さて、日本ではちょっと変わった素敵なことをしている人がいます。
 「女性の皆様、今年もバレンタインデーがやってきます。本当にありがとうございます。もし、私にチョコレートをいただけるのであれば、そのお代金を現金でいただけないでしょうか。いただいたお金はチャイルドスポンサーシップとして、ミャンマーの○○くん、バングラディッシュの○○ちゃんへの支援に変えさせていただきます。」という行動です。アメリカでは男女の別なく、チョコレートに限らず、お互いに愛を交換し合う日とされていると思いますが、世の中に動いているあらゆる「経済効果」というものを見渡してみると、なんて、自己満足な、小さな経済の中でくるくる回っているんだろうと、小さからずショックを受けました。一部の中堅以上の階級だけで回っているお金たち。そうですね。そう考えると今使うこのお金がどこにいくのだろうって考え直すいい機会にもなるのかと思います。
 未来投資会議(議長:安倍首相)でも、「これまでの高齢者ができないことをお世話する介護から高齢者が自分でできるようになることを助ける自立支援にパラダイムシフトし、介護が要らない状態までの回復を目指す」と、解釈の仕方によっては、好きで介護状態になった人はいないのに、その人に鞭を打つのかと思わせる国策と思われ、チョコどころじゃない世の中になりつつあります。ここにある大事な「お金」を何に使おう。健康な人はより健康に。そうでない方は少しでも切り詰めて生活をしなければならないのかもしれません。そういったところに大事な「お金」を使うことも個人の考え方のパラダイムシフトではないでしょうか。
未来投資会議のこの言葉は、別の解釈では「あな、恐ろしや、介護にならないように努力しなきゃね」とそれはそれでいい施策だと思うのも一理あるかもしれません。いずれにせよ、弱者に優しい社会にすることで中堅以上の方も満足できるお金の動かし方を考えて生きていきましょう。
私も、今日から、周りにある「あらゆる経済効果」ってものを考え直すことにしました。

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第34回     2017/2/18   
世の中には勉強のための書物はたくさんあるけれど、最初の一歩を踏み出すにはどの本から読み始めたらいいのか、それ次第で、自分の知識欲や興味をいかようにも変えてしまうといっても過言ではないはずです。今回、ここのテーマでもある「日本の介護事情」をもっと簡単に知るため、どの本が一番興味を持ちやすく、またスラスラと頭に入ってくるのかその一歩となるべき本を何回かに分けて紹介したいと思います。
 今回は、「ヘルプマン!」です。マンガです。創刊から現在まで15年目(講談社27巻、週刊朝日6巻〜)と専門業界に特化した漫画としては長い連載です。ただ、マンガと侮るなかれ、その内容たるや、作者のくさか里樹さんの緻密な取材力と、専門家が読んでも目を背けてしまう悲しい現実や介護保険制度改正ごとに使いにくくなる不安な気持ち、しかし、そこはエンタテイメントなので、読み進めていくうちに解決の方に進み、ギャグマンガの要素も含めつつ、爽快感も得られる究極のマンガだと思います。各種テーマがあり、介護保険制度、認知症、虐待、職場問題、外国人介護、胃ろう、排泄、高齢者ドライバー、高齢者恋愛と、介護業界の人間や介護に興味があるなしにも関係なく、たまたま目に入った一般の読者をも飽きさせない構成となっています。ちなみに私は最初の1、2巻でどっぷりはまってしまい、その時点発行されていた25巻までを大人買いして、丸2日通読してしまいました。一気に読むと見えてくるものがあるもんですね。介護はどうすべきだとか、お年寄りには優しくとか、どうこう説教くさい気持ちになるのではなく、私個人で見えてきたことは全巻通して「今一番大切にしなきゃならないことは何か」を強く訴えている感じがしました。どの巻もそれぞれに個性が強く、どれが一番と決めるのはなかなか難しいのですが、私のオススメは、講談社11、12巻の認知症編(たぶん世界で初めて認知症をマンガにした)と、週刊朝日3、4巻の排泄編(これもたぶん初めて排泄問題を描いた)です。そして、各所に心に響くセリフが散りばめられているのですが、私個人的には、主人公のセリフ1巻の「認知症?認知症が増えて何か問題あるすか?」という、「認知症本人が変わったのではなく、周りの本人への接し方が環境を変えてしまう事の方が問題だ」を一言で言い当てる潔さがあり、また、14巻で、寝たきりで経管に繋がれ、死を待つだけの老人の世話を職員が、ふと髪の毛をクシでとき始めたところ「お母さん…お母さん」と職員を自分の母親と勘違いしてポロポロ泣くシーンは、思わず涙がこみ上げてきて、本を閉じてしばらくその先が読めなくなりました。マンガで「後悔しない生き方とは?」を改めて考えさせられ、人生を変えることもあると言い切れる連載マンガだと思います。
 
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第35回     2017/3/2 
3月初旬、いろんなニュースの陰で国の予算97兆円(2017年度)が衆議院をあっさり通過し、参議院に審議が移されています。昨年より約8000億円アップです。国力としての税収を中心とした歳入は減り、人口も30万人ほど減っているのに、なぜか歳出が増え続ける国力の強さ。ここで審議されている法案は「農業」「環境」「原子力」「教育」「国際関係」「震災」等多岐にわたり、もちろん介護医療福祉分野も「地域包括ケアのための介護保険法等の法案」として審議・通過されているのですが、普通にニュースを読んでも、観たりしても、目にすることができないままに、法案が決定されていることが驚きです。メディアのニュースはあまりそこには触れずに、スキャンダラスなニュースに国民は目隠しされているような気持ちにさえなります。特に、予算の3分の1を占める社会保障費に関しては、与党政権が安定している中での法案はより大胆に民意に反しているような気もします。ここでは「介護制度」の改正についてだけ採り上げてもすごいと思います。

1.介護保険法が施行されて18年。「介護」のイメージは、「本人ができないことを支援する」「家族に代わって介護が必要とされる方を支援する」という慈愛に満ちた「優しい」役割であったと思います。しかし、元々「介護保険法」に記載されている第1章第1項〜3項には「尊厳」「自立」「悪化防止」「効率的」「選択」等の言葉が並んでいることが事実であり、どこにも「優しさ」はあふれていないのです。ということで、これからの介護は本来の原点回帰。「回復」となります。「自立」「予防」「重度化防止」です。これまでの「優しさ」を求めるのであれば、「保険外サービス」として対価支払いをするか、または、「ボランティア」を使うように。というのが介護の指針に舵を大きく切りました。

2. さらに、実際に介護サービス利用者の負担率は「1割」だったのが、この2年で「2割」から「3割」負担へと拡大しています。3割負担者の全体比は利用者数の3%程度と言われているが、いずれは全員3割になるのも次回の改定に向けて予測されています。つまり、これまで介護個人費負担が月1万だった方が3万になるということです。これは大きい差です。さらに消費税が8%→10%になり、年金が下がる、税金が上がることも想定すれば、使うべきライフラインが遮断されることになりかねないとさえ危機感さえあります。

3. ただ、少しだけ救いなのは、これまで介護保険料と言えば、40歳以上の介護が身近に感じられる年代の応益負担に近い支払い義務でしたが、これが労働者全体の(20歳でも)負担になるかもしれない。負担料金は一律だったのが、健康保険組合の財政力に伴って変動する、いわゆる年収に応じて額が決まる応能負担へも移行しつつある。これは一定以下の所得層にとっては、ちょっとした朗報なのかもしれません。

アメリカにお住いの方にとっても、自分ごと、両親ごととしても、来年の「介護保険制度改正」は気になることだと思います。私は、メディアやネットで出てこない情報も、草葉の陰に隠れた情報も含めて、さらに、この誌面を持ってタイムリーにお伝えしていきます。

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  • 週刊NY生活連載アーカイブス2016.9月~2016. 12月

週刊NY生活コラム連載60回記念アーカイブス5
第25回   2016/9/16   
日本の共生社会についてその方向性の可否を確認すべく、この3か月内にお仕事で介護施設、介護医療人材養成学校を訪問しました3都市(北京、ヤンゴン、ハノイ)で感じたことを書かせていただきます。
「同じアジアだし、宗教観も近いから似ているだろう」という先入観もありながら、現地の子供達や専門家と話していく中で「日本の富士山がみたい」「大阪で美味しいものを食べたい」と典型的な観光の意見もある中、大きな衝撃を受けたのは、ミャンマーのヤンゴンの介護医療人材養成学校の若者達の声でした。「なぜ日本の介護が学びたいのか?」「なぜ日本がいいのか?」に対して、
・日本の介護の「技術」を学びたいから。
・日本のように「優しい心」「強さ」を兼ねた人になりたいから。
・日本は約束を守る国にだから。
いい意味で誤解されているほど日本のイメージがいいのです。実は、この学校を訪問する直前に、ヤンゴン市内の介護施設視察後だったので、余計にその声を聞いて顔を覆いたくなるような恥ずかしさを覚えました。日本でもサービスの質の向上は20年前の措置の時代に比べるとかなり改善してきていると思います。明るい施設も増えてきました。しかし、そのヤンゴン市内の施設では、入り口から中まで電気らしいものは見当たらず、洗濯は板で高齢者の衣類を洗い、入浴は公営プールのシャワーのように10列に並べられ、食事は見たこともないような大きな釜で配膳され、冷蔵庫はなく、風通しのいいところに食材を蚊帳内に並べて、その日の内に食べてしまうというのです。便利さでは40年遅れているような中で、施設内も暗いのに、なんと、働いている人も、入居者もみんな白い歯でキラキラ笑顔なのです。日本ではこの「便利さ」が人の笑顔を奪ってしまっているのかもしれません。そして、「便利さ」がストレス社会を作ってしまったのかもしれません。普通「便利さ」は人を笑顔にするものではないでしょうか。そんなヤンゴンの介護施設で「あるべき介護の原点」を見せていただいた後に、キラキラ瞳で「日本から介護の技術を学びたい」なんて言われたら、「どうぞ来てください」となかなか言えなかったです。そんな彼らは早くて来年の今頃には来日して、私たちと共に働く予定です。
そして、彼らは、とにかく働くことが好き。子供できて生まれる日まで働くらしくて生まれてもすぐ働く。それに比べると、日本は逆走していないでしょうか?有給は当然。残業したらどうとかこうとか。世界基準で考えても、これは日本が一気に他国に追い越されるための法律が作られているようでなりません。そして、私たち日本人は生活を充実させることを最優先しすぎて、人生は仕事じゃない。家庭だ、趣味だ、老後だ。と成り下がってきているような気がしました。戦後60年前の働き方が一番ではないかもしれません。しかし、これからの日本づくりをする将来の子供のことを今の私たちが見本を見せて、強く育てていかなきゃならないのではないでしょうか。それは、勉強じゃない。働く意味です!

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第26回 2016/9/30   
情報過多社会。テレビからも新聞からもインターネットからも毎日いろんなニュースが限られた時間、限られた紙面の中で、魅力的な写真と踊る見出しと文字で埋め尽くされています。そういう私のコラムも埋め尽くすその他大勢の一つなのですが^^;)さて、日本でもこの2週間、多くのニュースに隠れてしまっている介護の大きなニュースについてお話しします。日本では安定政権の下で、「2018年の介護保険制度・介護報酬」の話し合いが大嵐のように一気に進んでいます。内閣府の7会議(経済財政諮問会議、働き方改革実現会議、まちひとしごと創生会議、未来投資会議、構造改革徹底推進会合、国家戦略特別区域諮問会議、規制改革推進会議。全ての会議で「介護」について話し合われているのですが、どれも縦割りで自分の省庁のナニばかりで、それぞれが横串に情報共有して役割が明確になっているとは思えません。しかし、ここで、内閣の外局「公正取引委員会」が前面に登場したのです。
これまでの厚生労働省の各部会や財務省の財政制度等審議会の政策的井戸端会議とは全く違った「それって売る人にとっても買う人にとっても公平じゃないんじゃないの!?」「介護の法律わかりにくくない?」という自由市場の視点(当たり前の感覚)で指摘してくれたのです。それは、大きく2つ。
1. 「特別養護老人ホーム不足」って言うけど、なんで社会福祉法人だけが運営出来て、株式会社は参入できないの?「地域福祉」って社会福祉法人じゃないと出来ないくらい難しいことしているの?(補助制度・税制等におけるイコールフィッティングの確保)
2. なんで介護サービスは法律かもしれないけど、やっていいこととやってはいけないことに分かれているの?それを一緒にしたら時間も節約になるし、サービス提供する人もサービス受ける人もハッピーじゃないの?ハッピーより法律の方が大事なの?(混合介護の弾力化の実現)

特に上記2については、両親が介護を受けている方や、将来の自身が介護を受ける予定の方にとって、一番気にしておかないといけないところです。委員会で話し合われている「混合介護導入のメリット」は、「介護受ける人にとって混合介護が可能になると、今まで以上の質の高いサービスが受けられるかもしれない」「介護経営者として、今の介護給付収入とあわせて、混合介護の導入緩和になると、事業収入が増えるかもしれない」「業界全体として、介護自体は公費のため市場の拡大が難しいが、混合介護が可能になると、業界全体が活性し、健全に成長できるかもしれない」「新高齢者は価値観の多様化する世代の始まりなので、よりサービス選択肢が増えるとワクワクするかもしれない」
 次回は、どんな多様な混合介護としてサービス・商品があるのか事例をご紹介したいと思います。

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第27回    2016/11/4  
アメリカ大統領選挙で全米が盛り上がっている中、日本人の生活にもダイレクトに影響する政治的決定でした。私たちはこれからのアメリカとの関係に不安を持ちつつも、思い出すのは55年前のJFKの就任演説です。「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えよう」何度聞いても胸に刺さる言葉です。これが今のアメリカを表しているとすれば、私は「リーダーが変わったから国が変わるのではなく、自分たちが変わったからリーダーが変わったのではないか」とさえ思えてきます。
 今夏のオバマ前大統領来日の広島での演説の一部で「我々は世界の一つの家族の一部である。これこそ私たちが伝えていかなくてはならない考えである」としました。そこには、過去をいつまでも未練がましく恨み続けるよりも、深い反省のもと、能動的にレガシーをそれと忘れることなく勇気を持って「未来を切り開く」ことが必要だと確信できたのです。
 日本の介護事情も大きな分岐点に立っています。前回お話しした「介護保険に頼らない介護」。いわゆる自腹で受ける「保険外商品サービス」を広げていこうという制度改正が進められているところです。
前回の末文に「多様なサービス選択肢が増えるとワクワクするかもしれない」とメリットばかりを書かせていただきましたが、逆に、お金がない人は介護サービスが受けられないという時代さえくるかもしれないのです。
まさに「自助努力」なしに自分の未来は開けません。これからの日本は、「いざ困ったらお国が面倒見てくれるから」という考えをじわじわと否定されてきつつあります。今回は、その保険外サービスの一部を紹介します。
* ご本人の終末期の家族の心の痛みや苦しみを医療から葬儀とその後までフォローするサービス。
* 外出はおろか旅行なんて無理と思っていた寝たきりの方の家族同伴旅行サービス。
* 社会的役割を終えて暇な老後を迎えている元気シニアにもう一度社会的な役割を提供するサービス。
* 二千種類のアートで古き良き日本を回想できるサービス。
* 老人らしくない「マイナス15歳」を感じられるカフェ型スポーツジム併設デイサービス。
* カジノ・アミューズメント併設デイサービス
* 介護ワンストップパッケージサービス
* 老人ホームだけで生活するのではなく地域全体が老人エリアサービス
* 今日行くところがない高齢者の居場所提供カラオケ・カフェサービス
* 未来型IoT(ビッグデータ活用)サービス
* uberやAirbnbを応用した介護提供サービス

そして、55年前のJFKはこうも言いました。「自由な社会ならば、多数の貧困者を救うことができなければ、少数の富裕者を救うこともできません」と。
このJFKの理想とした「相反する社会」を世界で初めて成し遂げるチャンスが世界最速の高齢社会を迎える「日本」に委ねられている気がします。

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第28回       2016/11/11   
「介護保険にこだわらない自由な介護商品・サービス」
アメリカ大統領選挙後の安倍首相の決断は早かったですね。電話一本で「Mr.トランプ、じゃ、来週会おう」って決めたそうです。このコラムが出るのがちょうどAPEC首脳会議ですからちょうど安倍・トランプ会談直後くらいではないでしょうか。どんな話し合いだったのでしょうか。ついでとはいえ、日本の慣習でもある「内部調整」経ずして決めちゃう我が国のトップの即決力は、新しい大統領のビジネススタイルとしての手腕とも相性が合うのではないでしょうか。逆に合わないとなると「You’re Fire」と言われたら、おしまいな気もしますが。いずれにせよ、日米関係が円滑に次のステージに進化するよう能動的に応援していくしかありません。そして、やはり国のことも心配ですが、「親の介護」「自分の老後」です。大事なのは。 

前回のコラムで「自助努力なければ、自分の受けたいと希望する医療や介護が受けなくなるかもしれない」と書かせていただきました。
これから消費税も上がるだろうし、使わずに銀行に預けてもマイナス金利で預けていられない。うまい具合に「2020年までに日本のGDP100兆円アップ」とは言ったものです。しかし、この際、流れに反発していてもしんどいだけ。世の流れに乗って「どう自助努力していくか」を考えるしかないようです。

1. 情報収集する。 
社会変動や経済変動。もしくは、今回のような政治的変動が及ぼす老後への影響を近視眼で見るのではなく、鳥瞰で見渡し、現状を知り、その情報から見えてくる道筋をまずは自分の頭で考えて見る。そして、専門家に訊く。

2. 資金計画を立てる。 
使いすぎない・残しすぎない。入っている年金や保険の見直しは定期的に行う。信頼おける自分のことを昔から知っている保険屋さんに徹底的に訊くこと。

3. エンディングノートを書く。
40歳になったら書き始めてもよい。早すぎることはない。いつ何が起きるかわからない世の中だから。もしくは、あまり書きたがらない60歳過ぎの親と一緒に書き始めるのもいいきっかけになる。親子の、夫婦の意見調整。 自分の意思をしっかり伝える。

4. 健康について気にしすぎるくらい気にする。
不調に気がついて検査をしたら重い病気が見つかった。という話をこの季節の変わり目に五人の友達から聞きました。みんなどうにか患部を切除したり、取り除いたりどうにか仕事に復帰しました。今年50歳になる私も我が事として気をつけたいと思います。あとでお金を使うよりも、慌てるよりも、むだ死にしないためにも。
 ・血液検査
  いろんな体の不調の信号を自覚する前に見つける可能性はこの方法だと
  思います。胃がんの原因であるピロリ菌検査も、心筋梗塞や糖尿病、
  脳梗塞の可能性までも。「血液はなんでも知っている」と仮定して
  検査は予防の第一歩と思います。
・ 口腔検査
「食べる」は健康は全身の健康に通じる。この入り口に支障をきたす前に年3回以上は歯医者に行こうと思います。

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ny表紙記事


第29回      2016/11/25   
株式会社ヘルプズ.アンド.カンパニー 西村栄一

今年も12月4日にお昼からニューヨークご在住の方々向けに「日本の介護事情セミナー」をさせていただくことになりました。詳しくは本誌広告のページでご確認のほど宜しくお願いいたします。今回のコラムは恒例セミナー直前企画「日本の介護事情クイズ」12問準備しました。チャレンジしてみてください。

1.介護保険3つの目的とされている正しい組み合わせはどれでしょうか?
A 過剰サービスをしない。悪化させない。一つの介護企業で独占しない。
B 利用者の希望を叶える。介護企業の継続発展。介護職員の育成。
C 介護不正の防止。障害者等と共に生きる共生社会の実現。医療との連携。

2.介護事業所は日本に何か所あるでしょうか?
A 1万か所
B 5万か所
C 10万か所

3.介護を受けている高齢者は日本に何人くらいいるでしょうか?
A 350万人
B 600万人
C 1000万人
(参考:65歳以上の高齢者3500万人)

4.今サービスを受けている軽度者(要支援1,2、要介護1)が将来介護サービスを受けられなくなるのではないかと心配されていますが、どうなるのでしょうか?
A 2018年4月から自費サービスに移行する。
B そのまま継続して悪化防止に努める。
C 3割負担になる。
(参考)日本国内の軽度者認定(要支援1,2、要介護1)は288万人。中度者(要介護2,3)は185万人、重度者(要介護4,5)は133万人。2016年現在、介護市場は10兆円までに膨らんでいますが、軽度者を削減することによって節約できる財政は1.4兆円くらいでしかありません。まだまだ日本国内財政に刺激を与えるような削減策が今後あり得るかもしれませんね。

5.現在、認知症って「診断」されている人と予備軍(Mild cognitive impairment)概算で何人くらいいると思われているでしょうか?
A 約400万人
B 約800万人
C 約1400万人
(参考)65歳以上の4,5人に1人かとも思われています。

6.認知症の原因となる症状のアルツハイマーのβアミロイドの蓄積はいつから始まっていると言われているでしょうか?
A 5年 
B 15年
C 20年

7.介護サービスを受けている人の一か月の費用って平均どのくらいかかるのかな?(公費1割負担の場合、2016年4月現在)
A 1万5千円
B 3万5千円
C 5万5千円

8.「住宅型有料老人ホーム」「介護付有料老人ホーム」の大きな違いはどこ?
A 入居一時金が高いか安いか。
B 介護サービスを定額で受け放題か。
C 自宅からいつでも通えるか、移らなければならないか。


10.最近日本で注目の介護サービスってどんなのがあるでしょうか?
A マイナス15歳を楽しむデーサービス
B ビットコインを使った簡易ペイメントサービス
C バーチャルリアリティ(VR)を活用した認知症改善プログラム


11. 外国人介護福祉士ってこれからどうなるの?
A 経済連携協定(EPA)の加盟国を絞り3か国(インドネシア・フィリピン・ベトナム)連携をさらに強化される。
B 人材不足は介護に限ったことではなく、他の建設、メーカー、小売業も含め、「人材の介護だけの独占化」は認められない高裁の判決が下された。
C これまで「施設限定」であったサービスが国会で関連法が全面解禁で、「訪問系サービス」にも可能性が出てきた。


12.介護業界が大きく変遷しています。現在、売上高トップは老舗のニチイ学館ですが、追って二位の介護会社はどこのグループ企業でしょうか?
A セキュリティ最大手の「セコム」
B 教育出版事業大手の「学研」
C 損害保険国内市場最大手の「損保ジャパン」   


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nyニュース記事


第30回     2016/12/21   
今年もニューヨーク近辺ご在住の方々向けに「日本の介護事情セミナー」を開催させて頂きました。ご来場の皆様と出来るだけ双方向に介護のお悩みや問題解決に向けて情報の交換ができるような3時間で本当にありがとうございました。いかがだったでしょうか。一年前と比べて、変わったことが一つありました。皆様のご質問「日本に帰るかどうか悩んでいるなら、いつ帰るの?」に対する私の回答は「今でしょう!」と堂々と回答していました。しかし、今年は悩みました。同じ質問がなされて、私から皆様へは「環境の変化に耐えられるかどうかを見定めましょう。日本へ帰国するのがいいか、アメリカに残るがいいかは関わるキーマンが大切です。それは信頼おけるケアマネなのか、信用おける介護経営者なのか、身元引受人なのか。受ける介護の環境は自ら創り出すことが大事です」と答えました。幸い、今回のセミナーに日本から山本さんという介護施設を8か所経営されている方に同席して頂きましたので、そこにも質問が集中しました。そういう意味で双方向に情報が行き渡ったセミナーだったと感じました。また来年も宜しくお願いいたします。
 それでは、今回と次回は年またぎ企画「2016年の介護事情総括」「2017年の介護事情予測」をしたいと思います。
介護というと大概、事件や事故等の不安を煽るものが多く、今年も、相模原無差別殺人事件、介護不正返還金1億円、虐待疑い立入検査、認知症列車事故無罪判決(無罪はいいことでしたが)がランキングされることでしょう。しかし、私は、ここは「明るい介護の総括」をランキングでさせて頂きたいと思います。

第10位 5年ぶりの出生数の増加で、20−30年後の生産労働への期待アップ。
第9位 多様化する介護事業の各責務が明確に選択しやすい制度へ移行されてきた。
第8位  市区町村の保険者機能強化によって、地域介護需要の多様性に応じられるようになってきた。
第7位 テレビやメディアでの「介護のお仕事」のイメージが良くなってきた。
第6位 「お笑い」は一部「お薬」よりも効果があるという実績数値が介護予防で証明されるようになってきた。
第5位 外国人労働者の技能実習者研修が来年より実施。「孤独死を減らす」「民度の向上」のために効果あり。
第4位  デジタルICTの介護への応用の具現化(便感知器、ヴァーチャルリアリティ等)
第3位  介護保険外サービスを経産省、農水省、厚労省を筆頭に「国策」として取り組み始める。小池東京都知事肝いりで混合介護特区構想上げられた。
第2位  認知症の理解が広がってきて、認知症の方でもカフェやリハビリ労働による社会的役割の創造が始まった。
第1位  内閣が掲げる「一億総活躍社会の実現」に向けて介護離職ゼロへの実行への取り組みが増加。安倍首相の未来投資会議での「利用者の自立を後押しする介護保険の機能をより強化していく」という言葉は、間接的に介護が日本の浮沈のカギにもなりえるという宣言とも取れます。

ランキングの根拠は私が一年間全国で開催させていただいたセミナーでの反応の多かった順に並べました。あくまでも「当社比」です。あしからず(^▽^)では、良いお年を!

「日本の介護事情クイズ」回答
1.A 2.C 3.B 4.B 5.B 6.C 7.A 8.B 9.A 10.C 11.C 

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  • 週刊NY生活連載アーカイブス2016.6月~2016.9月

週刊NY生活コラム連載60回記念アーカイブス4
第19回   2016/5/21   
熊本地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。熊本実家に2か月ぶり(3月2日の母の三回忌以来)戻りました。まさか地震の被災地への支援として帰省することになるとは夢にも思いませんでした。
市民の苦しみを救うのは市民の支援だということを実感した5日間の帰省でした。それは、一般のボランティアとともに、倒壊したご家庭の方とお話をし、瓦礫を処理し、避難所で物資を仕分けしていきながら、まさにテレビや新聞にはない隠れた個人の困りごとや避難所の運営の問題を肌で感じる事ができたのです。この地震発生から「初動」対応の最初の数時間が、あとあとの数日間の過ごし方に大きく影響するということ。それは地域によって被害の大きい小さいにかかわらず、大きく違っていることも現地でわかりました。
 それは、私たちの介護が目指す「地域包括ケアシステム」の「自助互助の精神とも多く共通点があり、実際の勉強の要素を含んでいました。「初動」の重要性。それは「想像力」を限界まで働かせること。目の前で起きていることの先に起きるであろうことへの想像。「なぜを繰り返すこと」が即時対応を可能できたのです。そこで感じた初動の優先順位を以下に書き出しました。
1. まずは自分の命の確保(想定を信じるな、全力で逃げろ、率先して逃げろ。岩手県釜石市より参考)。
2. 弱者(身近な人)への配慮と最低限の物品を持ち出して避難所へ。
3. 避難所での点呼(個々人が名前ではなく、番号で呼ぶことで「居る」「居ない」が確認できるため。人数も把握できる。
4. この場で「災害対策チーム結成(仮)」)→ここまでおよそ30分が理想。
5. 外部情報の入手。(災害の広がり、消火情報、救急搬送情報、今後の天候、交通情報、犯罪等)
6. 自分たちの安否を外部へ知らせる。(災害伝言板の活用、SNSの活用)
7. 災害対策本部・連絡系統の担当決め。→ここまでで1時間以内。
8. 担当分け。①付添・誘導担当(けが人/病人/弱者/ペット) ②水食料確保担当 ③トイレと衛生環境担当(災害の拡大防止) ④天候気温衣類毛布担当 ⑤外部からの情報入手担当 ⑥外部への情報発信担当 ⑦お金管理⑧ボランティア人事配置管理担当 ⑨本部長と副本部長とコンプライアンス責任者
*ただし、これらは緊急事態の仮配置であり、担当本人たちも避難者、怪我を負っている方も考えると、当該地域で完結まで行うことはきついため、近隣外部の組織化も想定してもいいと思います。
 この地震が教えてくれたものは、パニックの中で、いかに組織を運営をしていくか。この事例は、高齢社会に生まれる多様なリスクの存在をどのように「地域包括ケア」を設立し、運営していくかの「想像力」でもあり、事業所も積極的に関わらなければならないと思います。

<今後支援して行こうと思っていること>
地震直後から全国各地で募金活動が行われていましたが、私個人が思ったのは、「そのお金はいつ?どこで?誰に?」分配されるのだろうという疑問でした。私の耳に届く叫びは介護関係者を中心に「今すぐ助けて!」というものばかりでした。なので、そのことを周囲に話したところ、5/21時点で19名総額429700円を支援いただきました。本当にありがとうございました。今度、私がボランティアに入る6月初旬に「今すぐ助けて募金」を現地で分配支援していきます。公的団体様からの援助が個人に分配される前に受け取っていただけたら幸いと思っています。
・ まだ熊本市内の高齢者・障害者の185名が避難所生活をされているとのこと。ただでさえ「不足がち」な介護ヘルパーの支援に支援できればと思っています。例えば、梅雨時の生活必需品、暑さ対策、虫対策、食中毒対策等。
・ 地域の心の拠り所「神社仏閣」や「鳥居」の再興は行政の支援は得られないようなので、そこにも支援できればと思っています。
・ 一部の家畜農家では家畜の殺処分が行われたと聞いています。
また、熊本名産の果樹園や、街の心臓部・台所である商店街再興にも膨大なお金がかかるようで、全てを支援できないけど、少しでも足しになるように支援できればと思っています。

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第20回  2016/6/4   
先日、大阪市北区のフェスティバルホール(夏の高校野球抽選会場でおなじみ)内の中ホールにて、「老人ホームの選び方」講座を開催し、100人収容の教室がほぼ満席になりました。

このテーマへの興味の強さを感じた時間となりました。私は日頃は介護経営者や職員向けに経営改善やサービス向上の話、どちらかというと「有料老人ホームとしてどう選ばれるか」という今回の聴講の皆様からすると「川向こう岸の人」。選ぼうとする皆様側からすると私のような講師の話は「顧客にうちの老人ホームをどう選ばせるかの手技」に興味があるのかなというちょっとした違和感を感じました。温和なお母様のような方の語る老人ホーム選び方なら聴き心地も良いメロディ代わりにも相応しいかもしれません。けど、私のような経営コンサルタントのこの種の話はある種のロックであり、耳障りがするのではないかと心配していましたが、予測は半分当たり、半分期待以上の成果が得られました。以下のような項目をいつもよりも2倍遅く、2倍大きな声でお話をしました。
・高齢者住宅と施設の供給状況
・有料老人ホームの「介護付」と「住宅型」の違い
・住み替えのタイミング
・要介護になる原因
・入居を決める事前準備と片付け
・ホーム決定のポイント
・エンディングノート(自分史)を書いておくことの勧め
特に、このエンディングノートについては、悪い意味での工場の生産ラインの上の流れ作業のような介護サービスを受けないためにも、自分らしい生活環境と相応しい会話とサービスを受けるためにも必要だということを強く伝えました。また、一旦、入居したから、あとは死ぬまで安心とならずに、いや、だからこそ、そこには、「自立」を追求する生活の維持をするように、以下のような気をつけたい6つのチャレンジをお伝えしました。
・規則正しい生活をするチャレンジ
・趣味を作るチャレンジ
・部屋に閉じこもらないチャレンジ
・友達を作るチャレンジ
・積極的に人とふれあうチャレンジ
・できるだけ戸外に出るチャレンジ

健康なうちは当たり前のことが、いざ環境が変わったり、心身が不安定な状態が慢性的に続いたりすると、チャレンジすることすら億劫になり、居住者全員にこの悪循環が止まらなくなります。いい意味でもこのような環境を支援してくれる介護施設を探したいものですね。
それと、施設の入居者の方々にも「変わった奴が来た」とか、「あいつかなり認知症進んでる」とか偏見を持たずに、職員も、そこをわかった上で、新しい入居者の環境に馴染めるような配慮が行き届いた施設が一番いいと思います。
ちなみに、講演後に一番多かった質問は「ねえねえ、ニイちゃん、どこの施設が一番ええの?それだけ教えてくれたらそれでええねん」「ご希望の地域の施設データを全て持っている相談センターを経営している友人がいますのでご紹介します^^; 」   

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第21回   2016/6/17   
フロリダ州オーランドの立て続けに起きた事件。私がかつて2001年まで約5年住んでいた街で起きた事件に驚くと同時に胸を痛めております。の犠牲の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
さて、前回、書きました「事業所目線からの老人ホームの選ばれ方」という逆の発想の話が大阪市で100名参加いただき、大反響だったことをお伝えしましたが、今回は、その中で、参考にさせていただいた「実際に入居された方、予定される方」のアンケートを情報共有します。いわゆる「民間の施設」は増えていますが、まずはそのメインとなる3種の施設(以下、3ホーム)の違いと、選び方の指標を共有します。*参考:公益社団法人全国有料老人ホーム協会発行「かがやきニュース」より抜粋。有効回答数1171。配布数対比18.8%回収率。
まずは、3ホームの定義を簡単に表すと次の通りです。
<介護付有料老人ホーム>
 介護等のサービスが月額に含まれた高齢者向け居住施設。緊急時対応は入居者の実態に
 即し、夜間の介護、緊急時に対応できる数の職員を配置。
<住宅型有料老人ホーム>
 生活支援等のサービスは施設とは「別契約」が必要な高齢者向け居住施設。緊急時対応は
 入居者の実態に即し、夜間の介護、緊急時に対応できる数の職員を配置。運営上、
 サービス付高齢者向け住宅と共通点が多い。
<サービス付高齢者向住宅(以下、サ付き住宅)>
 名前とは違って、生活支援等のサービスは「別契約」が必要な賃貸住宅。緊急時対応の
 義務なし。運営上、住宅型有料老人ホームと共通点が多い。

次に気になるお金について3ホームの違いは、次の通りです。
入居時に払った前払金

前払金は家賃やサービスを一括して払うお金ですが、その方法は様々であり、入居時に安くして、月額に分割して払う方法もあり、一概に「前払金が3千万もするから」とか「前払いゼロだから」と入居の判断材料とするには尚早であり、月額費用もみないとお金では判断できないです。
月々にかかる費用

上記2つ(前払金と月額費用)から、その3ホームの違いが大きくわかります。
介護付は前払金も高く、月額も高い傾向があるようです。次に住宅型とサ付き住宅は、中には介護付と同じような高額高月額の少しはあるようですが、概して、20万円未満が全体の6割弱という一般的な月額(安い傾向)です。中には、「入居前払いゼロ、月額10万円未満、10〜15万円」もありますが、私の見学経験からは10か所見学して、悩んで、次に11か所目を見た所で「ここならいいかも…」という妥協施設ならあった気がします。お金を第一条件にするならば、それも一理あるかとは思います。(今回は自論はなるべく控えめにして)

次に、入居時点での要介護の状況
介護付有料老人ホームは「介護付」という名の割には、6割の人が元気な時に入居されているようです。「元気なのに介護付に入居するなんて」と思うのですが、裕福な方が多いということも前項でうすうすわかるところです。その反面、住宅型有料老人ホームとサービス付高齢者向住宅は既に6割以上が要介護認定者ということで、憶測ですが、「まさか自分が(親が)老人ホームに入居するなんて」と、慌てて探して、妥協した方が多いような気がします。そういう点を考えても、本当に「早めに」人生の後半の生き方を決めておくことは大切ですね。そして、その「まさか」に備えて、準備すべきことも次のコラムでお伝えしていきたいと思います。 

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第22回     2016/7/2   
前回、いわゆる民間の施設3種「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「サービス付高齢者向け住宅」のお話をしましたが、ややこしいなあと思った方も多いことでしょう。ところが、さらに、6月20日に全国特定施設事業者協議会(特定協)から次のような通知が出ました。「特定施設のことを介護付きホームと呼ぶことにしました」とのこと。

「特定施設」がなんなのかさえ、まだ浸透していないのに、新しい言葉が生まれることで、さらにややこしさが増すのではないかな心配していましたが、前回のアンケートでも介護付き有料老人ホームの略語として「介護付ホーム」という呼び名を便宜上使われていたことに私も今回改めて気づきました。いわゆる「民間3種の施設」のうちの「特定施設」は「介護付有料老人ホーム」のことを指すのですが、その他にも「介護付きホーム」と呼べるものに、「軽費老人ホーム」「養護老人ホーム」等いくつかの「特定施設」があります。それらも総称して「介護付きホーム」と呼ばれるようになっていくようです。ただ、しばらくは混乱を避けるため、今までの呼び名と略語としてのそれらは(カッコ書き)と併用して説明していくことといたします。(まだまだ介護の新語が出てきそうな嵐の予感がしますが、それはまた追い追い)

前回、まだ全然老後のことを考えなくていい40−50歳代のうちから将来の住処を探す層と、いざ、慌てて探して妥協した層の2層に分かれますというお話をしたと思います。

次のアンケートでは、そのエビデンスとして「入居を考えたきっかけ」を検証してみましょう。アンケート数値から分かることは、介護付き有料老人ホーム(介護付ホーム)は7割が「将来の生活面の安全安心向上のため」と入居を考える時、まだ「要介護」ではないのです。その他の住宅型ホームとサ付き住宅は「介護・看護が必要になったため」「家事を行うことが困難になったため」を合わせて7割から8割です。そういう意味で施設の住み分けがされていると言ってもいいでしょう。さらに、入居初日から介護サービスが必要な場合、「まだ要介護認定のレベルがなんなのか決まっていない」ましてや「担当のケアマネジャーもこれから探さなければならない」という緊急に迫られるケースもよくあります。そういう時は、以前のコラムでもお伝えした「償還払い」または「介護保険外サービス」を利用することで、初日からもサービス利用は可能ですのでご心配なく。

また、入居の際にいくつかの施設を見学することがあると思います。その見学の際に、重視したこととしては以下のとおりです。


ここでも住み分けがはっきりしていますね。介護付ホーム(介護付有料老人ホーム)を選ぶ際には「金に糸目はつけない」ようです。お金よりも大事なのは「居室や建物設備や住環境」「ホームやスタッフの雰囲気」「医療体制」や「周辺環境」「サービスの内容」の方が断然優先度が高いのですが、他2施設はやはりお金。「入居にかかる費用や価格帯」は他にもまして重視されています。理由は「いつまでもここに安心して、長く暮らしたい」と思えば、それはお金が優先することは大事なことです。だから、介護の3種のホームとしての住み分けもより明確になってくるのでしょう。その他に「自然の豊かさ」もありますが、今後は「都心への交通の便」や「近くにコンビニがあるか」等の価値観の違った世代向け対応の施設も増えてくると思われます。
*参考:公益社団法人全国有料老人ホーム協会発行「かがやきニュース」より抜粋。有効回答数1171。配布数対比18.8%回収率。

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第23回   2016/7/16   
日本国内で老人ホームや介護サービスを選ぶにあたってはまだ進化の途中です。日本は基本研究に優れ、応用学はさらに優れている都合上、介護ビジネスでも新しい形を生み出そうとしています。
まずは、今年4月に施行された「改正社会福祉法」から少し説明します。この改正はなんと60年目にして初めての改正ということで、変化に慣れていない全国1万8千の社会福祉法人が戦々恐々と構えているところです。社会福祉法人といえば、いわゆる「特養」と呼ばれる「特別養護老人ホーム」、または「介護老人福祉施設」を主軸として運営し、全国52万人の空き待ちによって、国の高齢者施策の大問題と言われているほどです。ただし、この7月に飛び込んできたニュース「特養の待機者数が15%〜多い県では27%も減少」。このニュースがなぜこのタイミングに飛び込んできたのか?キナ臭い感じを覚えますが、近いうちの安倍政権の政策(三本の矢)に大きな影響を与えると予測します。特に2018年の介護保険改正・報酬改定に。
 さて、なんとなくなぞかけっぽくなってしまいますが、「新しいビジネスとかけて改正社会福祉法と説く。その心は?」「社会福祉法人の役割が今まで通りの介護では済まされなくなること」です。三本の矢に影響があると申しましたが、その通り次の介護報酬改定では大幅な減となるでしょう。介護報酬の減は利用者や家族にとっては「安くサービスが使える」というメリットがある反面、介護経営者(営利法人も社会福祉法人も)は収入が下がるため、その結果、サービスの質が下がるとか、職員が減るとか、集まらない等の問題が起きる可能性をはらんでいるのです。そんな中でも、営利法人は「介護保険に頼らないサービス」を模索、創出しようとしています。たくましいです。同様に、社会福祉法人もたくましく、そうしようとしているのですが、そこでブレーキがかけられたのです。今年の4月の「改正社会福祉法」は「法人内留保資産(一法人平均3億円と算出されている)からの公益事業としての地域貢献」を法に定められたのです。つまり、やたらと収益事業でお金儲けをしようとすることは如何なものか?と厳しいチェック機関までもが設置義務化されています。例えば、「1時間のお掃除や調理、買い物代行等の生活援助サービス」を営利法人の場合1時間当たり2800円程度で設定。社会福祉法人の地域貢献事業では600〜900円で設定される傾向になっています。そうなると、利用者や家族のサービスの選択肢は「営利法人」か「社会福祉法人」のどちらのサービスが自分にふさわしいのか選べる価値観の多様化は一層進むとみられています。ますます利用する側にとっては期待の高まる市場であるのです。次回は「共生社会の促進の現状」についてわかりやすくお話しします。

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第24回        2016/8/26   
日本中が熱狂したリオデジャネイロオリンピックが無事に終わったようです。
関係書く皆様、お疲れ様でした。オリンピックの開催がその国の社会や経済にもたらす効果は良い意味でも悪い意味でも大きいと言われて久しいです。後世の時代の評価「あれがあったから今がある」もしくは、「あれさえなかったら良かったのに」ときっかけが変わっていくと思います。そして、9月7日に第15回パラリンピックも始まります。パラリンピックの歴史はオリンピックのそれに比べても若いですが、そうは言っても60年目の大会になる歴史を誇っています。そんな歴史ある大会ですが、もっともっと知ってもらいたいなあと感じています。それが将来の「共生社会」につながると思っているからです。

「共生社会」とは、障害者も健常者も分け隔てなく、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合い、積極的に全員参加・貢献できる社会のことを言います。私がアメリカに滞在した8年間で日本より進んでいるなとアメリカで感じた点はこの点が一番強く感じました。日本は少なからず、髪の毛も肌も皆同じ色に近いため、ちょっと異質なことをすると社会から異端な目で見られる風潮は平成も28年も経っているのにまだ強く残っています。それはこれまでは文化的にも経済的にも集団行動としていい方向に進んでいたのかもしれませんが、人口が減る、高齢者が増える、生産労働者が激減してくる将来に向けては、異端であろうが、頭の良し悪し、老いも若きも、外国人も何人も、母子家庭も、様々な嗜好を持っていようが、社会的活力を維持するためには、まさに一億総活躍社会にならなければならない時代が来る。それが「共生社会」であると思うのです。
 
オリンピックではメダルの数が毎日報道されていました。「勝ち」にこだわり相手と競い合うことは本当に興奮するし、いい結果が出ると諸手を挙げてバンザイしたくなります。でも、そうでない結果が出ても相手を敬う「価値」が本当のこだわりだと思います。そこには、国と国が、障害者と健常者とが、競技を通して「共生」とは何かを、色眼鏡を外して「考える機会」にもしてほしいです。私たちの子孫のためにも。
 
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  • 週刊NY生活連載アーカイブス2016.2月~2016.5月

週刊NY生活コラム連載60回記念アーカイブス3
第13回 2016/2/20   
認知症鉄道事故(その2)
この事故の判決話題を前後して、また認知症者の虐待殺人がここ数日間のニュースで話題となっています。ただ、この2つの事象の違いは虐待殺人「被害者が認知症者」であり、鉄道事故は「加害者が認知症者」であるという差です。
 日本では今一番話題になっている普遍的な話題ですが「被害者が認知症」ですが、こういうサービスする側もされる側も、ましてや、サービスする者にとっても介護で働くきっかけは誰しもが「高齢者の方のため」であったにもかかわらず、気がつけば、加害者になっていたという悲劇。私もいろんな方から話を伺うと、「自分だけは絶対虐待はしない」と固く思っていても、目の前にいる認知症者があまりにも自分の意図することと反対のことをしたり、予想外の反抗をされると思わず手が出そうになったり、口悪く罵ったりすることは自制が効かない場合もあるので、そういう時は、周りの同僚に「もうその辺にしときなさい」と注意制御しても許容される環境を整備しているそうです。認知症者もそれを支援する職員も、「不安・焦り・苛立ち」で毎日を過ごしていると思うのです。そんな非社会的な環境の中でもサービス業であるからこそ、既成のマナー講座や接遇講座のマニュアルにないマニュアルの創出が必要だと思うのです。
 次に、連続でお伝えしている鉄道事故。「加害者としての認知症者」について、日本は国家戦略として2015年1月に「新オレンジプラン~認知症高齢者等に優しい地域作りに向けて~」を出しました。それは認知症者を「弱者」として、権利擁護のための支援であり、認知症者が軽度の違法行為してしまった場合だけに想定され、しかも、それは事件・事故の「予防」までであって、「加害行為」の法的責任の所在については、盲点となってしまうプランなのです。そのプランは、「起きた後の結果や対応は成年後見人に任せておけばよい」という認識なのかもしれません。もちろん、これら事件・事故の責任は認知症の高齢福祉だけの問題だけでなく、障害者福祉も地域ケアやノーマライゼーションという点では方向性を同じくするものですから、精神障害者の「他害行為」について、監督責任を明示してきた民法714条「判断力が不十分である者の行為によって他人に損害を与えた場合の監督する義務を負う者が責任を負うべき」という法律自体の解釈が古くなってきているのではないでしょうか。認知症800万人、精神障害者320万人を排除しない、隔離しない、施設に収容しない新しい解釈とインフラ整備と新しいライフラインの構築が必要だと思います。新オレンジプランの理想と民法の古い解釈の乖離を今回の判決で補完できる要素になることを期待してやみません。
 私たち、普通に日常生活を送っている人にとっては「認知症」とうのは別次元の話のように感じるかもしれませんが、数値だけみると認知症認定患者数462万人(2012年)、軽度認知障害者数400万人以上。合計で800万人以上の方が認知症者に相当すると言われています。私たちの隣にたまたまいないだけで、実は全人口の7%。まもなく10人に1人は認知症という身近な問題なのです。アメリカのノーマライゼーションに比べると、日本のそれはまだ単一民族度の強い国家であるがゆえに越えていかなければならない意識改革の敷居は複数階段あると思いますが、「太平の眠りを覚ますじょうきせん」の名の下に、日本が急激に、「世界の認知症対策最先進国」にならんことをこれからの10年が勝負と信じ、私たち介護に携わる者たちが、3歳から15歳までの「教育」を変えていかなければならないと確信しています。

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第14回  2016/3/4   
注目されていた3月1日の認知症高齢者鉄道事故の最高裁の判決はお見事でした。事故当事者の妻に賠償責任を認めた二審判決を破棄して、鉄道会社の請求を退ける逆転判決。この判決で、認知症を抱える家族が守られたことは、「まだ、その人らしく在宅でも過ごせる」。そんな勇気が得られたことが日本国中の要介護者を持つ家族が安堵したことは本当に良かったと思います。
ただし、私は前々回に「今後の日本の介護事情を大きく揺るがす」「国策的にも大きな影響を与える判例」と煽ってしまいましたが、今回の判決は「さすが最高裁」といえるどっちも勝ち負けなしのロジックであったことも事実であり、「監督義務者」の責任を明示した痛快な判決だったと思います。
【明示1】民法714条では、責任無能力者が他人に損害を与えた場合、「法定の監督義務を負う者」に賠償責任があると定めるが、保護者や成年後見人であるというだけでは監督義務者には当たらないこと。
【明示2】民法752条では、夫婦の「協力」「扶助」の義務を定めているが、これらは夫婦が互いに負う義務であって、第三者に対して、夫婦いずれかに何らかの義務を負わせるものではない。男性の妻や長男は監督義務者に当たらないこと。そして、明らかにされた3つ目では、
【明示3】監督義務を引き受けたとみるべき特段の事情がある場合は、監督義務者に準ずる者として民法714条が類推適用され、賠償責任を問えると理解すべきこと。
 この最後の「引き受け」というレベルがどこまでのことを指摘するのか。それは「同居しているかどうか」「日常的な関わりがどの程度か」「財産の管理にどう関与しているか」「介護の実態」等の監督義務の諸条件を揃えて、その判断を宿題として次回以降の裁判に引き継がれた体のような印象を受けました。なんだか、関われば関わる程に裁きの対象となってしまうのは、ある意味「ずるいなあ。その責任は健常な家族や病院や介護へ引導を渡されたのかなあ」という印象も含みます。病院や介護施設なども、その責任が重くなるばかりではしんどいです。介護のプロだからといっても、やはり「安心して介護ができるよう環境」を国が引っ張っていくインフラ整備を今こそ必要という判決でもあったはずですが、そこだけは明示せず、次回以降にスルーパスされたことも、皮肉を込めて「お見事な判決」だったと思います。
 最後に、あまり報道では触れることのできなかった鉄道事故の犠牲者でもあり、加害者でもあるお父様の息子様から、記者クラブに配布されていた書類から以下抜粋いたします。
「たくさんの報道やご支援に接し、大変勇気づけられましたが、《徘徊した》という表現に少し違和感を持つようになりました。父が過去に自宅からいなくなった2回とも、向かおうとしていたのは生まれ育った実家の方向でした。父は《実家に帰ろう》という目的を持って歩いていたはずです。今回、父は事故に遭遇しましたが、それでも何か目的を持って歩いていたはずです。徘徊という周りを困らせようとか、無目的で歩き回っていたのではないと思っています。成人であれば外出は当たり前の行動です。父はたまたま一人で外出したもののたまたま認知症であることがそのような行動になってしまったのだと思っています。ご迷惑をおかけした皆様、鉄道会社様には、謝ってすむことではないかもしれません。本当にどうしたらいいのか裁判の判決を待つしかございませんが、父の行動を《徘徊行為》だったとは思わないで欲しいのです。何かの目的を持った《一人歩き》から起きた、起こした事故だったと表現していただきたいです。差し出がましいお願いだとは存じておりますが、何卒宜しくお願いいたします。」
 日本を世界で一番「弱い方に優しい社会」で、100人いれば100の介護が可能になる世の中にしたいものです。

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第15回   2016/3/19   
しばらく認知症の事故に関する話題を続けましたので、閑話休題。日本の介護事情の「明るい未来」の話をしたいと思います。
前回の結びで「日本の介護を100人いれば100の介護が可能になる世の中にしたい」という意見にいくつか反応いただきました。
 ご意見の中から、「100種類の介護サービスを作らなければならないのですか?」というご意見がございましたが、そういうわけではありません。そこには、サービスを提供する側の努力が必要ですし、また、それを受け入れる側は100通りの要望だけをいうのは単なる「わがまま」にしか過ぎません。
わがままを押し通そうとすれば、それは並の民度の国に成り下がるだけです。日本人たるや100であろうが1000であろうが、する側もされる側も謙譲の心。相手を平伏させて変えようとせず、自分自身を相手に合わせて変わろうとする「気配り」があるのが日本人らしさなのです。
 日本はその気配りや謙虚さから、他国に比べるとデモ活動や自己主張の少ない文化で育まれてきました。「困った時には国がなんとかしてくれる」「わが町を代表する議員さんに我田引水の期待」「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」等。粛々と働き続け、どうにか老後を迎えて、払い続けた税金と年金で、国のお世話になって、介護を受けて、病院で手厚い治療を受けて、家族に看取られて、幸せに死んでいく。というのがこれまでの理想の生き方でした。しかし、その受け身の謙虚な国民に対して、国の施策は国民に対して、「自らが能動的に動かないと幸せはつかめませんよ。市区町村は自助・互助で生きていける地域包括ケアシステムを構築せよ」「国はもう面倒見きれません。自分の健康は自分で、自分の生活は自分と周りでやりましょう」に変わってきたのです。身近な行政のガバナンスも、個人の考え方もパラダイムをシフトする必要が迫られています。
 これからの日本の10年の変化は過去の30〜50年にも相当すると評する人もいます。特に20代後半〜40代後半のみなさんには、パソコン・携帯をオフにして、丸一日立ち止まって自分の人生の中長期プランを考え直すことも大事だと思います。「人は生きるために何が一番大事なのか?」ということを必死に考えてください。そんな時に古いと思わず、「教育勅語」を読み直してみるのもいいと思います。教育学者の中では賛否両論ありますが、日本人が日本人であること。親子の関係、兄弟の関係の御言葉の部分が「介護のあり方」の理想に「現在」とぴったり一致するのです。
 ダーウィンの進化論でも、こういいます。「強いものが生き残るのではない。変化できるものが生き残るのだ」
 日出ずる国が、日没を迎えようとする世界初の高齢大国日本でもあります。
日没の後には「夜」が待っています。人それぞれの夜の楽しみ方を考えようではありませんか。国に頼らない自分なりの楽しみ方を。夜をどう楽しむかはあなた次第です。

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第16回    2016/4/2   
4月1日は日本にとって会社も学校も新しいスタートです。ニューヨークはまだ寒いですか?思い起こせば、私がアメリカの大学にいた時の9月が日本の4月っぽい雰囲気。「Welcome Back to school」の懸垂幕やチラシがキャンパス中に溢れかえっていたことを思い出します。でも4月ってなんでもできるような気にさせるそんな季節でもありますよね。ということで、日本で4月1日に開始、施行されたものは次のようなものがあります。
・家庭用の塩大幅値上げ
・ガリガリ君値上げ(60円→70円)
・サントリー角瓶値上げ
・クノールカップスープ値上げ
・女性活躍推進法施行
・家庭向け電力の自由化
ここにあげたものはほんの一部です。しかも全部にコメントしたいものですが(特にガリガリ君へのこだわり)ここでは「介護」に関わることだけ抜粋します。
1. 診療報酬改定はこれまでも段階的に、病院入院から自宅、在宅系の住まいへ退院するように促されてきましたが、さらに介護や療養型の施設改革、リハビリテーションへと連携促進により医療保険を使う機会を減らし、国民一人一人の「健康寿命」を長くできる遠因となる診療報酬改定が組まれています。これは2年後の2018年の「医療介護確保促進法」の一部である「医療法」「介護保険法」の改正のホップステップの「ホップ」でしょう。あと2年あるようで、実は今年中にその方針が決まるので「ステップ」は今年。「ジャンプ」はもう施行の時ですので、今年の介護に関するニュースには注目していてください。
2. 病院にかかるのも、外来患者の初診料が上がります。(紹介状ある場合は据え置き)全体で、診察料は約1%上がり、薬代は約7%下がります。
3. 保険の混合診療が一部可能になります。それは全面開始ではないのですが、「公的保険が利く診療と、利かない診療を組み合わせる診療」のことです。この混合診療は「患者申し出療養」ともいいます。4月からは患者が申し出てから、その診療が審査の上認められれば、保険適用(原則3割)になり、自己負担を減らせるようになります。(小声:今さら…とは思います。国はいつも国民1億2700万人の一人一人のことを考えながら、今に合った法的決断を慎重にしてほしいですね。)

2.障害者差別解消法&改正障害者雇用促進法施行については、介護に携わるものからでも待望の法律です。国全体の福祉の考え方を大きく変えてくれるかもしれないと期待大です。例えば、認知症患者やがん患者も広義の「障害者」ともいえるかもしれません。人は健康なうちは自分がそうなると、全く意識していなくても、ある日突然、健康不安になったり、後遺症や慢性化にならないとも限りません。この法律の施行はいつまでも自分らしく生きていきたいと考える全ての人に優しい法律だと思います。
しかし、日本は障害者権利条約の批准140番目でした。では、日本は後進国?いや、この条約の英語は、いまだに障害者を無能者(disability)と書かれています。日本では、かつて痴呆症と呼ばれていましたが、今は認知症と言います。認知症は国際的には、dementiaと呼びます。念のためニューヨークにある本屋さんの立ち読みで辞書を調べてみると、insanity(狂った)と出てくるんですね。アメリカ(世界?)だって、まだ遅れてるんじゃない?そう思ったりします。これは、高齢社会最先進国である以上、日本がこの分野で世界を引っ張っていくチャンスだと思ってもみます。いや、ならなければならないと思います。まずは、その前に、日本語で「障」「害」って言葉なんとかならんのですかね。 

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第17回     2016/4/16 
当社へのご相談内容で「他業界からの介護参入」「日本型の介護研修」等が増えています。この連載コラムをご覧になられている方はなんとなくでも日本の介護事情に通じてきているかとは思いますが、介護の基本の「き」はまだお伝えしていなかったかもしれません。2回にわたって少し原点回帰します。

相談例)同居している父親をちょっとだけ施設に預かって欲しい。認知症の診断はまだされていないが、少しそんな感じなので、ゴールデンウィーク期間のうちの3泊4日くらい預かって欲しい。特に持病らしい持病はないのだが、父親を数日間一人だけ家に置いておくのは不安なので。実はこれが初めての介護相談。いくらくらいかかりますか?

解答例)多く誤解されていることは、65歳になったら「介護保険被保険者証」という健康保険証に似ているものが送られてきます。これがあれば、いつでも、誰でも、介護サービスを受けられると勘違いする人が多いことです。
 介護サービスを受けるためには、この被保険者証を持って、少なくとも1か月以上前に、市町村窓口に相談し、認定の申請を行い、介護が必要かどうかの要介護認定を受け、その結果(要介護区分)が出て、この被保険者証に「要介護⚪⚪︎︎」と入力されてから介護サービスが受けられるのです。

ですが、相談例の場合、もうゴールデンウィークといったら、来週のこと。市町村窓口に行くことも、ましてや認定調査を受ける時間もない。諦めるか?ホテルのコンシェルジュにでも相談するか?
実は、今年の3月31日に「経済産業省・厚生労働省・農林水産省」が連名で、「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集(保険外サービス活用ガイドブック)」を策定したのです。今までは「介護保険外サービス」というと、国の目の届かないところで、法律のないことをいいことに好き勝手やるサービスと疑惑のサービスとも言われていたのですが、国が正式に「介護保険外」を認めることになりました。「住民のみなさんがいつまでも自分らしく生活できるための地域包括ケアシステムを補完充実していくためには、今の介護保険サービスでは限界がある。だから、国が1から100まで面倒みるのはしんどいから、住民が「自腹」で市場の介護サービスを買えるため、商品サービス種類を考えてあげよう」となったのです。
一度、「保険外サービス活用ガイドブック(計112ページ)」をネットで見てみてください。意外に面白いサービスが列記されています。
 さて、話が飛びましたが、じゃ、結果。このガイドブックなどから参考に、自腹で施設を利用するしか方法はないのか?でも保険使って1割負担、保険使わなかったら10割負担。それは高過ぎるから、やはり保険使えるまで我慢するか? 
 もう一つの方法があります。要介護認定が出るかどうかはわかりませんが、介護保険「内」でサービスを受けるように、市町村の窓口から紹介されたケアマネジャーか、知り合いのケアマネジャーに相談しましょう。そして、アセスメント評価をしてもらい、担当者会議に参加して、ケアプランを組んで、契約を交わします。それでもこれらの手続きに最低10日は要ります。それと前後して、市町村から認定調査で家まできてもらい、結果は1か月後くらいになります。1か月後、認定結果が「要介護1」で判定されたら、サービスを開始した日までさかのぼって、1割負担でも出来ることもあるのです。それまでは10割負担で、後で領収書を市町村に提出して、払い戻してもらえるかもしれない「償還払い(8割とか9割が返ってくる)」を利用する手法もあります。ただし、あくまでも保険内で行うため、お散歩サービスやペットの面倒や暇潰すためのお話サービスなんてものは含まれていません。あくまでも介護保険「内」ですから。

解答例の結論。2つのいずれか。
1.料金高いことを覚悟で「保険外サービス」を利用する。
2.「保険内」サービスの可能性(償還払い)に賭けて10割負担で利用する。(認定調査で要介護になれば1割負担になる)

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第18回  2016/4/29   
本誌でも既報の通り、熊本地震のNY日系人会様の「九州地震救援基金」のご設立、ライオンズクラブ様、ジャパンソサエティー様をはじめ、米国本土から皆様のあらゆるご支援本当にありがとうございます。熊本で生まれ、熊本で育って、高校時代まで思いっきり親元で青春を謳歌した私にとって今回の地元からの心痛い映像にただ茫然とするばかりです。この執筆が書き終えてすぐに熊本に帰ります。皆様からのご支援から現地で感じえたことをまたご報告できればと思っております。
地震列島と言われる日本ですが、初動体制の脆弱さが今回も露呈したとメディアでもよく言われていますが、今回はまさに、日本が高らかに国策として掲げる「地域包括ケアシステム」の実力を試された機会となったのではないかと思います。
 アメリカでも国民を高揚させたかつての大統領ジョンFケネディの就任演説の言葉「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えようではありませんか」の精神と同様に日本中の国民の自助互助機能が一斉に発動し、需要と供給の量が一致したところまではよかったのですが、そのパイプとなるべき公的施設にうず高く積まれた支援物資を効率良く必要とされる市民の手に届くことは難しく、共助公助機能不全こそが露呈してしまったのではないでしょうか。以下、NHK NEWS WEBからの一部抜粋。
熊本市 救援物資の配送見直し直接避難所へ(4月24日 13時11分)
熊本市は被災者が求める救援物資を少しでも早く避難所に届けるため、集積拠点から区役所などを経由している現在の配送方法を見直し、避難所に直接届ける方法に近く切り替える方針です。熊本市では、全国から届いた水や食料などの救援物資を東区にある集積拠点の「熊本県民総合運動公園」に集め、いったん区役所などに配送したうえで避難所に届けています。しかし物資が滞留するなどしていることから、熊本市は集積拠点から避難所に直接届ける配送方法に近く切り替える方針を決めました。熊本市は自衛隊や運送会社の協力を得て、数日中にも新たな配送方法を始めたいとしています。


 このように、机の上で書いた理想の流れ通りにいかないことは、しっかり想像力を働かせれば誰もがわかっていたことなのです。「集積拠点に荷物を集め、区役所で要請を受けてから各避難所に荷物を配送する」というのは一見混乱を未然に防止するためには完璧な流通方法です。しかし、「じゃ、誰が荷物を積み上げるの?管理するの?梱包するの?運転するの?」の想像は誰の仕事だったのでしょうか?一大事の時に「想定外だった」なんてプロの仕事師として絶対許される言葉ではないと思うのです。
地域包括ケアシステムや介護予防日常生活支援総合事業の構想についてもそう感じます。理想的には、「高齢者の在宅生活を支えるため、ボランティア、民間企業等の多様な事業主体による重層的な生活支援の担い手の養成・発掘等の 地域資源の開発やそのネットワーク化などを行う」とパイプ役でもある行政主導でリードしながらも、このような緊急事態にリード役である行政が機能不全に陥ることも想像でいるのです。介護施策について、行政はボランティアや民間に期待しつつも、机上での想像での「規制」を作るのであれば、いっそのこと、現場で汗をかいてから、この施策は妥当なのかそうでないのかの判断をしてから、「規制」の可否を決めていただきたいと今回の熊本地震の件で強く感じました。 

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  • 週刊NY生活連載アーカイブス2015.11月~2016.1月

週刊NY生活コラム連載60回記念アーカイブス2
第7回     2015/11/18
今回は「今」起きている介護の現場レポートをひとつさせていただきます。
利用者様ご家族にとって、現場で起きた介護の事故に対して、どうしたらいいか?を書かせていただきます。ただし、リスクについては、複眼的な分析と感じ方によって複数の解釈があり、絶対的な正解は一切ありません。これは、実際に起きたことからの「事業所」側の立場からの反省と対策という前提でお届けします。
 ある日、私の携帯電話にデイサービスの管理者から事故発生の相談の電話がかかってきました。
「松次郎様(仮名)がフロアで転倒されて、今、職員が病院に同行しています。救急な事態ではなく、意識もしっかりされていますが、念のため、骨折の可能性があるので検査しておられます。また、詳細の連絡が入り次第、ご報告します。」
職員は、自分の父親ではないので、業務として慣れてしまっているせいか、なんとなく、流れ作業的に、「よくあるケース」として、そのことをご家族に報告してしまったようです。しかし、家族としては、自分の大切な父親であり、急な電話で狼狽しています。「もしものこと」を心配するものです。しかし、それに反して、職員は、そのお気持ちを逆なでするような言葉をまた発してしますのです。
「今、病院の診察が終わりました。骨折とまではなかったようですが、手首の骨にヒビが入ったようです。今夜は三角巾で固定されています。お風呂は避けて、清拭をお願いします。ところで、私達は、ちゃんと松次郎様がどこか行かないように常に見ていました。けども、ほんのちょっと目を離した隙に転倒につながりました。ご本人様は、私達が見ていない隙を狙って、外へ行こうとされたのだと思います。とりあえずは、今日は病院から帰宅された際に注意しておいてください」と、職員のミスである「目を離したこと」が原因で転倒されたことの「謝罪」がなかったのです。いや、実際には「謝罪しました!」と職員は言っておりましたが、それが家族に伝わらなければ、「言った」けど、「伝わらなかった」のです。介護の現場はこのように「よくあるケース」と慣れてしまっている悪癖が蔓延していることがあります。

では、どのように家族としては対応すべきなのでしょうか?
怒りに任せて、職員を攻めるべきでしょうか?冷静にいられないのもわかりますが、まずは、対応について、謝罪を受けることよりも重要なのは、事故当日に至るまでの「利用者サービス提供記録」を1か月分みせていただくことが大事です。これを見せていただく約定は、最初のサービス契約の際に受けた「重要事項説明書」条項にも書かれているはずです。そして、自分の父親が、どのようなサービス経緯を経て、そのようになったのかを口頭で理由を聞きます。間違っても「謝罪文を出せ」「事故報告書を出せ」「社長を出せ」「保険でカバーしろ」等、前に出過ぎないようにしてください。そして、回答を急ぎすぎないこと。そして、社長の代わりに、代理弁護士が出てきても慌てないこと。家族にとって、それが、納得のいかない仲介と謝罪、弁済であれば、自分たちの価値観で事を急ぐよりも、どう段取りを組んで、どう交渉していくか、猶予(逃げ道)を作ってあげること、それが、交渉を有利に進める手法でもあるのです。自分の親を愛するばかりに、大騒ぎして、苦情を出して、相手の逃げ道を塞ぎ、事を急ぎすぎるばかりに、事業所から「社会的通念上の信頼の毀損による契約解除」を通知されることもあるということを周知ください。そうなると、家族ではなく、利用者本人がサービスを受けられなくなることもあるのです。
サービスをする方も、サービスを受ける側も不幸ではないですか?ここで例として出すには大きすぎますが、小さな世界でも、大きな世界でも、ある地域で起きているテロでの対応のように、「本当の紳士」としての対応が求められる時代ではないでしょうか。

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第8回 2015.12.04

みなさんは「認知症です」「要介護です」と宣告されたらどう感じますか?もし、発病から診断までの間、苦しんだ末の結果の宣告であったら、病名や状態を専門医の先生に判断されることによって「次に何をすべきかがわかってホッとした」「これから闘っていく決心がついた」「家族との絆が強くなった」等前向きな気持ちになる方も多いかもしれません。反面、その宣告によって、人生の大きな転機。大きな不安に陥る方の方が多いのも事実でしょう。
本人であれば「嗚呼。もう社会には戻れない」「外出制限が公的にされる」「じいさんばあさんの仲間入りしたくない」等。家族であれば「収入や治療費、介護費はどうなるんだろう」「私たちにも責任があるんじゃないのか」「いつまで面倒みなきゃならないんだろう」等。どの世界でも老化や老後は不安に満ちていることでしょう。実際、動物界においても「子供の世話」はほとんどが自然の摂理で行うのだが、「親の世話」をするのは、なんと人間だけといわれているのである。(諸説ある中でまだ解明されていない)それだけ、「介護」は生物学的にも奇異な行動なのかもしれない。その中でも、日本は世界中で「介護最前線」であり、これから示す介護の方向性は世界中が注目しています。
 ということは、「介護」について何をやっても史上初なのです。私説ですが、私は、上記「認知症です」「要介護です」と宣告されることで、新世界が開ける夢や希望があってもいいのではないかと考えています。つまりは、医療的には軽々しく治るとは言ってはいけないが「治る介護」を広げていければいいのです。それは楽しくなければなりません。ワクワクしなければなりません。役に立たなければなりません。希望を持てるようにならなければなりません。「社会復帰」「自由な外出」「新しい可能性への仲間入り」であってもいいと思います。ただ、そのための備えや予防は早ければ早いほどベストでしょう。備えといえば将来に向けての収入確保や保険の加入は当然です。これは日本でも「老人漂流社会」として論議されています。この論議はまた追ってご報告いたします。
 ところで、「楽しくなければ介護じゃない」というキャッチフレーズは少し行き過ぎ感もあるかもしれませんが、「ありきたりな介護」「既成の介護」「公費内の介護」にとどまらない動きが日本国内にはあります。アメリカでは耳を疑うような世界初の介護サービス「カジノ付きデイサービス」です。確かに公費の可否についての喧々諤々の論議は大事だとは思いますが、埼玉県和光市においては早い段階から介護予防に積極的に取組を行っており、介護予防推進事業部が設立した時より積極的にアミューズメント・カジノを導入し、厚生労働省もその視察レポートで報告「介護予防推進アミューズメント・カジノ導入で要介護認定者が減少し、第1号被保険者保険料が低くなってきた」と効果報告されているのです。カジノデイサービスや、その他の「老後の楽しみ」について次回以降ご報告いたします。
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第9回 2015/12/18
日本で2016年1月からスタートするマイナンバー制度。アメリカのSSNと同じく、日本でも産まれたての赤ちゃんから住民票を取得次第、ナンバーは付与されていくことになります。ただし、二国の大きな違いは、アメリカでは様々な場面でピクチャーIDとしての証明書を提示し、サインするだけで本人認証として簡単に成立してきましたが、近年では米国官公庁や大手企業、銀行などへのハッキング等により、SSNが大量に流出する事件が本人なりすまし事件を発生させる大きな問題となってきています。日本のマイナンバー制度は番号一つで本人認証としての複数にわたる使用を禁止することになりました。使う範囲は、社会保障、税、災害対策の分野に限っての利用となっていますので、アメリカの社会保障番号のような問題が起こさせないよう改善を進めていくことで、問題を最小限に抑えようとしています。
ただ、介護利用者にとっても、関わりを持つ事業所・施設にとっても、その取り扱いについて慎重にすべきです。例えば、介護施設にお住いの認知症の方(住民票も同住所)にナンバー通知が届いた場合、施設長が代理で受け取ることは民法上の概念規定による「事務管理」という行為として、預かることは出来ても、開封することはしない方がいいようです。開封しても、そのナンバーを書き写したり、写真を撮ったりすることは法律違反になるからです。開ける意味がないからです。ましてや、一つの建物内で完結しない「在宅」で介護を受けている認知症の方へのマイナンバーについては、介護事業所は施設と違って、代理で受け取って事務管理すらしない方がいいと言われています。
「いや、ヘルパーがちゃんと預かって、事業所で管理するから。大丈夫だって。その方がアメリカに住んでいる娘さんだって安心するから、委任状だってもらっているから大丈夫」ということは、このマイナンバーに限って言えば、介護事業所の本来すべき介護サービスを大きく超えた行為といわざるをません。唯一の解決方法は成年後見人をつけることが考えられます。ただ、地域によってできない所も考えられることも考えられ、12/15の厚生労働省通知で、「認知症で、介護保険サービス手続き等自分で個人番号を書類に記入するのが難しく、代理人もいない高齢者には記入の免除を認めた。必要な場合には自治体職員が個人番号を住民基本台帳ネットワークで調べて代わりに記入できるとした。自治体職員やケアマネジャーらに周知するのが狙い。」(共同通信から一部抜粋)
ということで、やはり介護事業所の勝手な判断でいくら本人の了承、家族の依頼、どうしても必要に迫られて等のいかなる理由があっても、マイナンバーを開封することは出来ないのです。実はマイナンバーに限らず、様々な書類(重要事項説明書、契約書、各種介護計画書等)に本人、または成年後見人のサインをする機会は多いです。このマイナンバーを機に、介護サービスを受けられる方の署名を誰が行うか、代行でいいのか、成年後見人を就任させるか、今一度、日本にお住いでのご両親、ご親族の方の書類に一度お目を通しいただき、介護事業所と真剣にお話し頂くことをお勧めします。

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第10回     2016/1/6   
2016年(平成28年)が始まりました。ここ数年個人的に感じることだが、1年経つのが非常に遅く感じます。これは精神的に、身体的にいいことなのでしょうか。いろいろ調べてみましたが、どうやら傾向としてだが、高齢になると遅く感じるらしいです。これは、時間の効率的な使い方によるものなのでしょうか?時間のつぶし方によるものなのでしょうか?(笑)
今年はまだ始まったばかりだというのに、来年の今ごろ一年を振り返った時に後悔していないように、毎月の毎週の毎日の時間と見つめ合って一年の計をしっかり刻んでいきたいと思います。
読者の皆様、今年も宜しくお願いいたします。
 さて、新聞、テレビ、ネットでも市場や業界の動向を占うような記事があふれています。皆さんが住んでおられますアメリカでは大統領選挙、南米ではオリンピック。心配なのは、中東情勢からイランやイスラエルの動き、中国経済、原油バレルの高騰、銀行や政府機関を狙ったサイバー攻撃等。偏った情報で自分を見失わずに多角的に情報を分析していきましょう。そして、私たちの生活に密着した社会保障の問題。日本ではここ数年、国の一般会計上の歳出「社会保障関係費」が、毎年1兆円ずつ増えています。主な内訳だけでも2014年対比で、医療費11.1兆円→11.4兆円(+3,000億円)、年金10.9兆円→11.2兆円(+3,000億円)、介護2.6兆円→2.7兆円(+1,000億円)です。日本国内の高齢率の上昇は変わらず続くにもかかわらず、いきなり急ブレーキです。なんと、これらの歳出予算を先3年間で半分以下にする予算案が先月のクリスマスイブに閣議決定されました。日本では今夏に参議院選挙が行われます。与党の政権維持を条件に、ますます制度の緩急は厳しく舵を切られることでしょう。そこで、予測されている介護の流れは、次の通りです。
★ 要介護1・2の受給者の保険給付から外す(2017年末までには要支援1・2が外れます。その後の発展型)
★ 介護利用料をすべての受給者負担割合を2割へ(一部3割も検討?)
★ 自己負担上限の引き上げ(現在は月額上限を超えるような負担があれば公費でまかなえています)
その他、介護周辺の社会保障関係費も「年金開始年齢の引き上げ」「物価下落の際の年金額下げ」等の年金関係。そして、医療費についても今までの「ちょっと病院へ」というフリーアクセスできなくなり、入院もできにくくなり、地域医療構想策定に従い「かかりつけ医の普及」「総合診療専門医の育成」等も医療費高騰化を防ぐため制度化されていくことでしょう。そうです。まさに、2016年の介護の動向で注目すべき重要なポイントは、「2018年の診療報酬&介護報酬同時改定」の「試金石」が置かれる年のスタートだということに年初から注目していってください。 
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第11回    2016/1/6   
今月は「健康」をテーマにしたセミナーに呼んでいただく機会があり、「介護」パートである自分の出番まで、前の講師の「食の安全」をなんとなく聞く機会がありました。食は「介護予防
つながり」程度に参考に拝聴していたのですが、自分の「考え方」「生き方」に影響する話にどんどん前のめりで聴き入ってしまいました。それは、私たちがメディアから得られる情報は本当に
偏りがあること。私も過去に痛すぎるほどメディアの圧に翻弄されていたにもかかわらず、食に
ついての圧倒的な情報に耳を疑うばかりでした。その一部を紹介します。例えば、2015年春から夏にかけて世界最大規模の活動が日本では全く報じられなかった「遺伝子組み換え企業や農作物に反対するデモ」。トランス脂肪酸を使った食物がアメリカで全面禁止になったこと。日本製品は
最高という誤解。実は日本の厚労省は既得者である大企業の権益を守る為、添加物基準の緩さと
禁止までの期間の長さと報道を矮小化、看過する問題。世界的基準でアメリカでさえ承認されて
いる添加物は300種なのに、日本はなんと1500種が添加物として私たちの生活に流通しているという恐怖。裏を返せば、アメリカで禁止されている添加物の1200種以上が日本では子供から大人までワシャワシャ食べられているということ。それは厚労省から「猛毒だが10000分の一に希釈
されているから健康に害はない(はずだ。けど10年経ってからダメかもと発表するかもしれない。アメリカでは禁止されているらしいから)」といういい加減さもあるとかないとか。新陳代謝の
高い若いうちは、それは本当に排泄されるかもしれないが、高齢になると排泄機能低下によって、蓄積された添加物が変異し、「認知症」「がん」「脳疾患」「心疾患」を引き起こす原因になることも充分考えられます。国は自分たちを守ってくれるではなく、自分を守るのは自分自身だということを強く思うことと、10年以上前に読んだ「食べるな危険」「使うな危険」という書籍を改めて
「介護予防」という見地から読み直して、そして、それ自体が偏重されているかもしれないという先入観を除いて、利用者の「栄養バランスのとれた食事」をアセスメントしていくべきだと強く思うのでした。(参考:食品添加物のリスク管理について〜事故ゼロを目指すサイエンス〜:国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部 穐山浩)

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第12回 2016/1/24   
今、日本国内では、介護保険制度から「公費」として行う事業についての論議が活発化しています。その中で、在宅介護の延長線上「通所介護事業」。いわゆる「デイサービス」の本質について、介護の目的が自立支援、機能訓練、回復。または、預かりを目的とした認知症、重中度対応なのか明確にしていないことには公費としてはいかがなものかという意見が出てきています。公費を議論する中に、カフェ型、リゾート型、豪華ランチ、温泉ランド的なものを「デイサービスの本質から逸脱しようとしている」と決めつけで警鐘を鳴らそうとしている向きもあります。私は、この「決めつけ」自体が警鐘に値するのではないかと真っ向心配しています。

例えば、重中度者や認知症利用者に対して改善目標を定めている事業所、他では受け入れが難しい方を積極的に受け入れている事業所、機能訓練アセスメントにより結果を出している事業所、自治会・ボランティア・産官学等の地域連携に取り組んでいる事業所等があったとします。それらの事業所の環境がたまたま「ハワイ風」だったり、「カジノ型」デイサービスだったりしたら、その評価は前者が担保されているため、ハワイ風だからと非難されることはないと思います。そもそものデイサービスの定義「在宅三本柱」の一つであり、利用者が慣れ親しんだ地域で暮らしていけるためのサービスであれば、「豪華ランチ」がいいのか。リゾート風がいいのか。はたまたカジノ型がいいのか、全面に出すぎたキャッチなサービスも、そもそもの中身がどうあるべきかを考えれば、変わってくることでしょう。その場が楽しいだけでなく、利用していない時間帯にも想像力を働かせたケアプラン・マネジメントまで及んでいれば、サービスの環境形態が疑問視されることは偏見以外ないはずです。

公費を使ったエンターテイメント型のデイサービスは市民の意見、専門家、公的機関から賛否両論喧々諤々と、ほぼ50:50の意見が聞かれます。私もどっちの意見も「なるほど」と右往左往してしまうところですが、反対派の明快な意見は、「公費を個人の嗜好に使うのはいかがなものか」という優等生的意見すぎる点が気になります。そこには「公費=100%共助公助でなければならない」という意見も、それならば、図書館ならOKなのか?男女共同参画センターなら絶対平等なのか?子供のための公園設営は許されても、大人のエンターテイメントは公費で許されないのか?
「公費」の定義自体に旧来型の偏りがありすぎではないかとさえ思うのです。時代は変遷してきています。昔の人口ピラミッド型からひし形の人口構成に変わってきました。あらゆる定義自体が変わってきているのです。公費の使い方を私たち市民が考え直す機会だと思うのです。

それでも、介護事業が増えて、競争が激しくなり、本来のサービスの「質」が「メニューの多さ」や「奇抜さ」の評価になることは良くないことです。やはり、「サービスの質」=「サービス提供する人の質」であるべきです。しかし、これを、行政や事業所だけに責任を押しつけるのではなく、サービスを受ける我々市民側にもサービスを選ぶ責任、利用する責任、そして、事業を育成する責任があると思います。介護は福祉産業といえども、他の産業と同様、「共に成長」すべきものです。ちなみに介護保険法第4条では「国民の努力及び義務」と記されています。
 
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